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国立民族学博物館で開催された特別展「交感する神と人 ヒンドゥー神像の世界」の会場構成です。
様々な場面やモノに登場するヒンドゥー教の神々の存在は、それぞれが互いにリンクし合い、人々の生活も神々なくしては成り立たないものとなっています。
神々と交流しながら互いに影響し合い混ざり合う状況やモノを表現するため、章ごとに展示空間を分けつつも明確に壁で展示空間を分けるのではなく、隣の展示空間とほのかに繋がる構成にしました。
南アジア独特のカラフルで派手な空気感

 

<展示について>
ヒンドゥー教のあまたの神がみは、石や金属、土器、陶器などの立像、仮面、絵画や印刷物、タイル、刺繍、さらには絵本、コミック、切手やシールなど、さまざまなモノを通じて現れています。これらの神像は人びとが五感を通じて神と交流するための重要な媒体となってきました。 神像との交流の核心には神への「愛」があります。この「愛」には神に愛されるという受動的側面よりも、人が神に愛をもって接近するという能動的、主体的側面が強く表れています。人びとはさまざまな神話を踏まえながら、親がいたずらな子を愛おしんだり、愛人が相手を熱烈に愛したり、あるいは忠実なしもべが主人に無償の奉仕をするように、神像に具体的に愛を捧げます。また、日常的な礼拝においても実際に神像を沐浴させたり、着飾らせたりするなど具体的な働きかけを通して神像を歓待し、願いを聞き届けて貰おうとします。 本特別展ではこの「神への愛」に基づいた、神と人との交流のさまざまなかたちの展示を中心にすえます。具体的には現代インドで特に人気のある神がみの神話を表現した図像の展示や神像への働きかけ方がわかる資料(神像の個別的なデコレーション、身体的感覚が発揮される儀礼用具などの展示や、儀礼の実際を取材した映像や写真など)を展示します。それらを通じて、多神教的なヒンドゥー教世界や、そこに登場する弱みや欲望も合わせもった神がみの存在を紹介します。 こういった神像はインドやネパールだけではなく、日本やヨーロッパでも制作され、ヒンドゥー教の世界で用いられていました。この特別展では南アジアの外の世界で作られた神像も展示し、信仰に関わるモノのグローバルな流通の一端も紹介します。

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Project Details

Main use :exhibition
Location :osaka
Exhibition area :1F 809㎡, 2F 433㎡
Contructor : Godo