震災復興の象徴として、地場産の杉材(間伐材)を用いた橋を提案する。
震災後も南三陸の森林は、力強く残り続けている。
その力強さを地域の人々へと伝え、復興への活力となることを期待している。
丸太で構成された立体トラスの橋は、南三陸を囲む雄大な山々のシルエットと重なる。
丸太は全国の人々から、部材一本毎に奉献をしてもらうことで賄い、多くの人の気持ちで大きな橋が形作られる。
メンテナンス性を考慮し、部材毎に交換可能なサスティナブルシステムとなっている。
丸太の交換を続けることで、トラスの構成が変わり、橋の風景が少しずつ変化する。
数年に一度、丸太の交換を行うイベントを開催し、震災復興を確認するとともに、
震災や津波の記憶を忘れないように後世へ伝えていく。
story
1. 南三陸の産業の一つである杉間伐材を用い、全国の人々の寄付により橋を造る。
丸太を奉献する仕組みを作り、丸太一本毎に名前を掘り込む。
2. 橋の落成後、劣化した丸太を交換するために、間伐材を切り出し、適正な長さと太さに調整しておく。
3. 交換用の丸太を奉献する人が、名前を掘り込むワークショップを行う。
4. 数年に一度、劣化した部分の丸太の交換を行い、南三陸の人々と丸太を奉献した全国の人々が、
一同に介し都度落成式を行う。そうすることで、復興の軌跡を互いに確認するとともに、
震災と津波の歴史を振り返り、次代へとその記憶を受け継いでいく。
5. 交換後の丸太は、お土産などに加工し販売する。