この計画は、2016年にGENETOとして参加した指名コンペの案です。
あわら市では北陸新幹線の2022年の開通に伴い、現在のあわら市駅前の広場の整備および、旧金津エリアを中心とした街づくりを行うべくコンペを開催しました。
ちなみに、北陸を代表する温泉街の一つである芦屋温泉街を持つこの都市も消滅可能性があると指名されているまちのひとつです。
ここで我々が取り組んだのは、あわら市という都市の持つ魅力(歴史/自然/文化)を読み解く事。
読み取った物事を新たな都市の魅力として用いる事で、外部からの観光客、Uターン、Iターンの人々を誘致する事を目指しました。
そこで、観光客も住民もみんなが気軽に利用できる公衆温泉場と、シェアオフィスを兼ねた小屋をあわら市の至る所に分布させるという計画を考案しました。都市化が進む大都市圏とは対局の地域である、あわら市だからこそできる、都市に暮らす人々を受け入れる「場所」をコンセプトにしました。
ここでは身体を休めながら働く事ができる。
それを私達は「アクティブレスト(積極的休息)」と名付け、この都市に滞在することで休暇を取りながら働くことのできるまちを目指しました。
小屋のデザインはあわら市の歴史を踏まえています。
金津エリアは「古代たたら製鉄を行っていた場所」であり、製鉄所の建築に興味を持ちました。
それは雪深い北陸地方ならではの独特な勾配屋根の建築でした。
この勾配屋根が生み出す風景をあわら市地域に作り出したい。そう考える様になりました。
また観光資源として「芦原温泉街の温泉」にも目をつける事にしました。
現在、芦原温泉の温泉を楽しめるのはホテルの宿泊客と、足湯に限られており、
もっと簡単に芦原温泉を一般に開放しようと考えました。
働く事や休む事を提供することで、観光客にこの地域を訪れる価値を知ってもらい、地域住人にこの地域に暮らす事への魅力を伝える。
同時に地域の食材やスポーツ、人々との交流が楽しめる。
そんなまち全体を巻き込んだプロジェクトとしました。